こんにちは カラーズFC代表辻榮 勇人です。
今日はサッカー療育について基本的なこと…僕たちの考える「サッカー療育とは」についてお話したいと思います。
さてサッカー療育とはいったい何のことでしょうか?
多くの方が勘違いしてること
それは「サッカー療育」は「サッカーの指導」とは全く別のものということです。
サッカー指導では、サッカーの技術向上に主眼をおきます。
しかしサッカー療育はをサッカーを療育のツールとして扱い、
子ども達の5領域
「健康・生活」「運動・感覚」「認知・行動」「言語・コミュニケーション」「人間関係・社会性」へアプローチをしていく方法です。
またこの他にも、サッカーをするなかで学童期・思春期の発達支援に重要な「自己肯定感」「達成感」「仲間形成」を育みチームとしての居場所つくることで「孤立の防止」を実現することができる方法です。
なにより、子ども達にとっても支援者にとっても「楽しい」療育です。
ではなぜ、サッカーが療育のツールになり得るのか?
それはサッカーが療育に最適な5つの特徴
をもっているからです。
1、ルールがシンプル
これはサッカーの最も大きな特徴だと言えるかもしれません。サッカーのルールは。手を使わずにゴールに入れると言ったと至ってシンプルです。使う道具もボール一つだけです。
発達障害のこどもに多く見られる特徴として「複雑なルールやプロセスを理解するのが苦手」というものがあります。そのため活動の中で多くのことを考えたり、複雑な行動をしたりする事、いわゆるマルチタスクを求めすぎるとなかなか上達しないまま挫折してしまうというケースが多く見られます。
その点サッカーのルールは小学校低学年の子でもすぐに理解でき、ゴールしたら得点というのも単純明快です。ボールと良い場所さえあれば後は身体ひとつで誰でもすぐ始めることができます。
2、自由度が高い
サッカーはプレーの選択が自由です。ボールがきたらドリブル、パス、シュートどの行動も選ぶことができます。またオフザボールの時もどこに動くかが自由です。試合が始まれば監督の影響も少ないですし、自由度が高いことでプレッシャーが少なくプレーできます。
逆に野球などはさまざまなルールがきまっており自由度が低いといえます。
この自由な中で自己判断・自己決定を身につけられるのがサッカーの特徴です。
3、サッカーはポジションがあり役割がある
サッカーはチームプレーをすることが大切な競技です。そのため得意なこと、性格にあったポジションを選ぶことができます。このことは「社会の縮図を学ぶことができ、役割という概念を学ぶことができます。
ゲームの中に社会性がある。このことがサッカーの特徴です。
4、攻守の切り替えがある
サッカーには攻守の切り替えがあります。
守る、攻める、この切り替えが何度も試合では行われます。実は発達障害の子に特徴的な傾向として、その場面によって自分の思考の切り替えが苦手なことが多くあります。
サッカーをすることによって、この切り替えを無理なく。またサッカーは基本的に試合が始まれば途中で止まることはありません。この連続性の中で徐々に思考の切り替えを学ぶことができます。
5、勝ち負けがある
サッカーには勝ち負けがあります。
この勝敗がしっかりきまり、その結果に対して、「嬉しい」「悔しい」といった感情が芽生えます。
この感情をチームで共有できるこのことが非常に大きな特徴です。ただ個人のプレイで勝ち負けが決まってしまう場合その勝ちや負けを受け入れることができません。
しかしチームで行うことによってその悔しさや喜びを共有することを学ぶことができ、その感情を糧にコミュニケーションをとり、次の試合に向けて練習をする向上心を育成することができます。
このようにサッカーは療育をする上でとても有益な特徴があります。
この特徴を活かし、サッカーを通じて、ルールを守ることや集団活動などの社会性や運動機能やコミュニケーション能力の向上を図るのがサッカー療育です。
サッカー療育についてのまとめ
サッカー療育について理解していただけたらでしょうか?
これから、より詳しいサッカー療育についての解説動画を、こちらのチャンネルにアップしていきます。最新のサッカー療育について知りたい方は、ぜひチャンネル登録をよろしくお願いいたします。
この動画はサッカー療育事業を行っているカラーズFCの経験をもとに、その知識をシェアするものです。この療育が正しいものであるとか、すばらしいものであると主張するわけではありません。
サッカー療育という価値観の普及し、子供の発達支援を考えるきっかけになることを願って、この文章を書いています。